小さなアウトプットを積み重ねる

May 9, 2020

@tenntennです。 私の所属するメルカリ・メルペイでは、毎週金曜日にGo Fridayという社内勉強会を行っています。勉強会といっても発表資料を準備したり、担当者がいる訳ではありません。単にバックエンドエンジニアが集まり、技術の雑談をしているだけです。

Go本体や標準ライブラリについて、便利なライブラリ、自作ライブラリや自作コンパイラの紹介、Google Cloud Platformの話題、最近ハマった罠の共有などを行ってます。たまには多少脱線して技術文章の書き方、レイドボスの作り方、ネコちゃんの話などもします。

参加者の負荷を減らし気軽に参加できるようにするため話すことをあえて決めず、Google Docsに箇条書きで話すネタやリンクを貼り付けるだけにしています。参加者には私みたいに自分の話を聞いてほしいタイプもいれば、作業しながら聞いてる人もいます。雑談なので興味がある話にだけ首を突っ込めばよいのです。

Go Fridayは、全社イベントや休日に被らない限り、スキップされたりはしません。そもそも、参加は必須ではないので3人くらいのときもあれば30人くらいの時もあります。Go Fridayは2016年に私がメルカリに入社する前から開催されており、前回で176回目を迎えました(8回目を4回やってるので開催自体は180回近くやってます)。

ここまでGo Fridayを続けてるのは、私の所属するメルペイ エキスパートチームが掲げる「技術をアウトプットするところに技術は集まる」という言葉に関連しています。ソフトウェアエンジニアは日々の開発業務の中で少なからず知見を蓄積していっています。社内やチーム内に溜まった知見は、そこだけに留めておかず、社外やチーム外にアウトプットすることでフィードバックを得たり、思いがけない反応が貰えたりします。そこから新たな知見を獲得することも少なくないでしょう。

日々の開発で得られた知見が技術的に目新しいものや高度なものであれば、国内外のカンファレンスで発表したり会社のテックブログに書けば良いでしょう。しかし、日々の開発業務で得られる知見は、カンファレンスで話すほどでもない泥臭い話やちょっとしたTIPSなどもあります。Go Fridayは、そういった知見を吐き出す場として機能しています。雑談ベースなのでアウトプットするハードルは低く、社内からフィードバックも得られます。また、本人が話すつもりは無くても誰かに振られて気づいたら話してることもあります。

社外へのアウトプットは、時間もないし自信もないという方でも、社内における小さなアウトプットを積み重ねればアウトプットすることに慣れていきます。他のメンバーからもこの話ならこの勉強会やコンファレンスで話したらどう?みたいな後押しもしてもらえます。発表練習をしても良いですね。

Go Fridayでは、登壇だけではなく、技術書典で頒布する本への寄稿やSoftware Designの連載への寄稿も後押ししています。社内勉強会やサークル内勉強会が続かない、何をやっていいか分からないという方はGo Fridayのようなゆるい勉強会をやってみると良いかも知れません。

それでもアウトプット場が無いなという方は、技術コミュニティが開催しているLT大会に応募すると良いでしょう。こんな内容発表してもいいかしらと考えずに発表したいことを自分のために発表しましょう。

メルカリでも「プログラミング言語Go完全入門」の質問会でLT枠を設けているので、ぜひそちらにもチャレンジしてみて下さい。しっかり勉強した上でなにか作って発表する必要はなく、やってみた感想や資料に対するフィードバックでも大丈夫です。

自分の知識が風化してしまう前にアウトプットして自分に定着させましょう!